第一幕 | |||||
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弥生の十五日、田植えごしらい 二人の長老が苗代開きの日取り占い 月読命(つきよみのみこと)の降臨を願う。 月読命(つきよみのみこと)が占い立てる 月読が伝えし月占いあまたあれど日立て日替えは言葉のまま |
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四月十日を苗代開き、五月六日をお田植え祭り 清き稲の籾種を分け与えてくれるは、五穀を生みて貯えたる保食の神。 月読命が仲立ちとなり保食の神に清き稲の籾種を願う。 保食神(うけもちのかみ)の登場 朝夕の物食うたびに保食の 神の恵みを思え世の人 |
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保食神が口から種を生んで命に捧げようとした。 それに憤慨した月読命は保食神と剣を抜いての暴挙となる。 そこに、天熊人(あまのくまびと)が仲裁に入る。 |
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天熊人は、保食神が邪神でなく大地の神であることを諭し、この暴挙に天照大御神がお怒りになっていることを伝えた。 これよりの天照大御神と壁を隔てて天照大御神様が昼の明かりを、月読命様が夜の明かりを所務なさり、この世を照らすのが親に背けぬ責務となる。 一方、手傷を負い余命もない保食神が、末代まで根枯れること無きようにと、保食神が申す。 額の上に栗。眉の上に蚕。眼の中に稗(ひえ)。 腹の中に稲。 陰(ほと)に麦、大豆、小豆。 これらを生ませて天照大御神に供え。その後、国の民に万遍なく分配いたす。 天地の狭田長田に殖う早苗 秋の足穂に栄えましまん |
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第二幕 | |||||
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天の村長(むらおさ)に仰せ付け、田大工、早乙女(さおとめ)を大勢呼び出して、代掻きを始める。 田男の太郎やんと次郎やんの二人が登場。 鍬(くわ)で畦(あぜ)を練るところから始まる。 |
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次に次郎やんが牛となり萬鍬(まんが)を引かせる。 早乙女を交えて、田植えが始まる。 賑やかな「田植え歌」が神殿にこだまする。 そして、サンバイ様の祀りあげを行う。 |
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第三幕 | |||||
お田植え神楽の結願舞納め 保食神(うけもちのかみ)のご託宣 我が産みおとした稲の籾種、こたび早苗に育ち、やがてこの里に稲穂たわわに実るは必定。 これより先に天の狭田、長田にては、すでに新穂実りてあり。 これを、福の御食(みたから)として皆に一粒ずつ授け申さん。されば、一粒は万倍と栄えんぞな。 我らも代みての宴に急がん----- |
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月読命 (つきよみのみこと) いざなきの尊が黄泉の国から戻られて、体を洗い清める際に、左の目を洗っているうちに生まれた神が天照大御神。右の目を洗っているうちに生まれた神が月読命。鼻を洗っている時に生まれた神が須佐之男命。高天原を収めるのは天照大御神。夜の世界を治めるのは月読命。海の世界を治めるのは須佐之男命。といわれた。 |
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保食神 (うけもちのかみ) 葦原中津国」の民を守り、食べ物を生み出す神。月読命の前で口から様々な食べ物を吐き出して、卑しいと思われ、切りつけられてしまう。母が赤子を産むがごとく、なんら穢れなどない。御命は、御食神座(みつかんどころ)に移り豊受の神となる。 |
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天熊人 (あまのくまびと) 天照大御神の臣下。月読命と保食神の仲裁に入る。 |
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田男 茶利面が流用される。 二人の滑稽なやりとりが観衆をわかす。 田作りのしぐさは、パントマイムの要素が大いに含まれている。 |
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早乙女 (さおとめ) この舞には、信仰的要素が含まれ、田植え神事として早乙女が登場するには、単なる植え女ではなくて、古くは田の神を迎えてもてなすという重い役割をになっていたともいわれている |
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